光を輝かせる「影の立役者」! アーティストを支える、マネージャーとデジタルコミュニケーションの仕事術。
#4 マネージャー担当陣インタビュー
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テレビやライブで活躍するアーティストたち。その裏側には、彼らを輝かせる「影の立役者たち」がいます。今回は、アーティストの一番近くで彼らを支えるマネージャーを務めるおかりなさんと、アーティストが世の中に打って出るためのデジタル戦略を考え実践しているよーちゃんさんにお話を伺いました。
よーちゃん (2012年入社)
(株)ソニー・ミュージックアーティスツ マーケティング本部
おかりな (2016年入社)
(株)ソニー・ミュージックアーティスツ ミュージックエンタテインメント本部

20代の女の子だからできる仕事もある。

—まずは、マネージャーであるおかりなさんのお仕事について教えてください。新卒で入社されたおかりなさんは、はじめからマネージャーだったのですか?
おかりな
はじめからではないですね。元々マネージャーをやりたくて入社したのですが、最初の半年間は担当を持たずに、所属アーティストのライブ現場やCM撮影、ファンクラブの実作業など様々な部署を回りながら、音楽業界や事務所の仕組みを現場で勉強させてもらいました。

その後、希望していた今の部署に配属となって、「井上実優」という新人アーティストのマネジメントを担当してちょうど1年半になります。アーティストと年齢が近いこともあって、親密なコミュニケーションを取りながら、同じ目線で色んな物事に取り組んでいけている実感がありますね。
—マネージャー業務は、想像通りのお仕事でしたか?
おかりな
想像と違ったこともいろいろとありますが、一番驚いたのは、マネージャーの業務が自分が思っていた以上にクリエイティブなお仕事だった、ということですね。「アーティストの魅力をどうやったら引き出せるのか?」「衣装やメイクをどうしたら魅力的に映るのか?」などを決めていくときに、自分の発言やアイデアがベースになって、それが演出に反映されていくこともありますね。

特に、今の「井上実優」チームは男性スタッフが多く、私がはじめての女性スタッフとしての加入だったのでアイデアを重宝される場面も多く、例えば、CDジャケットの写真を選ぶ際に「20代女子の視点で可愛いと思うもの」を意見したりしています。その他にも「アーティスト本人がなかなか言いにくいこと」だったり、「オーディエンス視点の些細なアイディア」を、チーフやレーベル側に提言することもあります。

つい最近だと、「井上実優」は歌以外にも絵を描くことや、読書が好きで、そういったことをSNSにあげたいと話していたので、まずはInstagramやTwitterで自主企画として立ち上げたりもしました。
—自分の視点を伝えることが、アーティストのためになっていくのですね。
おかりな
はい。音楽業界に入り約2年経ちましたが、先輩には「まだ感覚が素人と全然変わらないね。その感覚を絶対忘れないで」と言われていて、なので今でもフラットに見ていいな、と思うものを正直に伝えることを忘れないようにしています。

先日も、2018年の最初のリリースに向けてビジュアルを本人と悩んでいた時、髪を染めてみたらどうかなと、何気なく話していたんですね。そこから今時の女のコはどんな髪型で、どんな髪色で、と一緒にリサーチを続け、満を持して髪を染めたところ、今までの黒髪の時と印象がまた大きく変わって、評判も良い。何気ないやり取りから、新しい2018年の「井上実優」のイメージを打ち出せたことが、うれしかったです。

違う視点からのアイデアで、アーティストの魅力を引き出していく。

ーアーティストと二人三脚で仕事をするというのは、大変なこともあるのではないでしょうか?
おかりな
そうですね。「井上実優」とは時には友達同士みたいに話すときもありますけど、彼女は福岡から上京したてなので、ときに娘を見守る親のような気持ちに近づく時もあります。そんな間柄でも、たとえアーティストと意見がぶつかっても、今後のためにやったほうがいいとスタッフが判断しなければいけないこともあります。
よーちゃん
それに、マネージャーってすごく忙しいから大変だと思うんですよ。案件は次々振ってくるし、レーベルとアーティストの間に立って、決めなきゃいけないことも多い。時にはアーティストの意向に寄り添うだけじゃなくて、違う意見を言わないといけない状況もあるよね。
よーちゃん
そういう状況下でプラスαをタイムリーに提案してくことって、すごく難しいので、そういうときは僕らデジタルコミュニケーション部門が一歩俯瞰した視点からアイデアを出すということもありますね。僕らなりの視点からアーティストに対してのアドバイスや新しい売り出し方のアイデアを伝えるとマネージャーが「あ、そっか!全然その売り出し方は考えてなかった!」みたいになることも多いんです。

ソニーミュージックは色々な部門がある会社なので、こういう相乗効果が起きることも多い会社なんですよ。例えば、僕は入社以来CDパッケージを販売してきた経験もあるので、そういった意味でも違った視点でのアドバイスができている実感があります。

常にアンテナを立てているからこそ、出来る仕事がある。

—なるほど。よーちゃんさんが担当するデジタルコミュニケーションは、どのような仕事なのでしょうか?
よーちゃん
今は「テレビに出たから」「ラジオでパワープレイが決まったから」「雑誌で連載を持てたから」ということだけでアーティストの売り上げにすぐ寄与するという時代から移り変わっています。マスメディアの力だけでなく、ネット上で注目してもらうことがアーティストの認知を広める上で重要さを増しています。そうした背景から今年新設された部門で、デジタル分野から積極的に現場マネージャーをフォローする仕事をしています。


—具体的な仕事の事例などを聞いてもよろしいでしょうか?
よーちゃん
WebやSNSなどの動向を調べて、自分たちからメディアや企業に向けて、仕掛けていくという仕事です。例えば、ソニー・ミュージックアーティスツ所属の「土屋太鳳」が主演した映画『トリガール!』のタイアップとして、ダンサブルなロックチューンを奏でる「ねごと」という女性4人組のバンドに、「スピッツ」の『空も飛べるはず』をカバーしてもらったところ、LINE MUSICでバズりました。LINE MUSICの利用層は「ねごと」の今までのファン層に比べて、かなり若い人たちが多い。だからこそ、そこに向けて普段とは違う層に向けてアプローチしようと、女子高生に人気なWebメディアにこちらから連絡して大きく扱ってもらえるように動きました。

他には、ソニー・ミュージックアーティスツ所属の「眞嶋優」という女優がいるのですが、リフティングがめちゃくちゃうまくて、自分でネットにアップした動画がバズったんです。その盛り上がりを見逃さずに、フットサルとファッションを融合したアパレルブランドに自分から営業をかけるなど、音楽以外の分野にもアプローチしています。
—常にアンテナを高く立てていないとできないお仕事ですね。
よーちゃん
はい。社会の流行だけではなくて、アーティストやタレントに対しても同じくらいアンテナを高くしておく必要があります。忙しい現場マネージャーたちでは気付けないようなアーティストの魅力を客観的に見て、自主的に企画を提案していくことも大事な仕事なんです。

ソニーミュージックには、なんでも出来る可能性がある。

—これからの仕事として、どんなビジョンを描いていますか?
おかりな
アーティストの3年後、5年後を意識しながら、今やるべきことを進めていきたいと思っています。例えばギターを今練習しておけば、いつか何千人の前で弾き語りができるようになるかもしれない。そういった、未来への投資もしっかりとしていきたいです。

あとは、社内のみなさんに「井上実優」を知ってもらい、おもしろがってもらえるように頑張りたいですね。そうすれば、色んな人たちを巻き込んで活動の規模を大きくしていけるかなと。先ほどよーちゃんさんが話したように、ソニーミュージックはシナジーが生まれやすい環境ですので、みんなで「井上実優」というアーティストを盛り上げていけたらうれしいです。
—よーちゃんさんは、いかがでしょうか?
よーちゃん
僕は、ソニーミュージックに入る前までは、実は音楽プロデューサーになりたいと思っていたんですよね(笑)。でも、いまはそんなことは思っていなくて、マネージャーをやりたいと思っているんです。

マネージャーになったら、数年はその人につきっきりになります。なので、その前に他の部署でいろいろなことを学んでおいて、マネージャーになったときに活躍できるように備えたいと思っています。

ソニーミュージックには、アニメもあれば、キャラクターもあるし、コンサートホールなんかもある。入社前の自分の思いが変わったとしても、どこかで自分のやりたいことができる会社なんです。だからこそ、会社でできる「今やりたいこと」をどんどん実現していきたいと思っています。

ユーモアと愛を持って、アーティストを支えていく。

—現役のマネージャーであるおかりなさんが考える、マネージャーに必要な素養はなんだと思いますか?
おかりな
そのアーティストに100%の愛を注げるということは大切だと思いますね。24時間一緒に過ごすということは、アーティストと絶対的な信頼関係を持っていないとできないので。アーティストにも私にも体調が悪い日だって、気分が乗らないときもある。

それでもきちんとアーティストを支えて、守っていくためには、確固たる愛情と信念、あとは根性と体力が大事なのかなと思いますね。上手く立ち回りたいとは思いますけど、失敗したら失敗したで謝って、がむしゃらに誠実に向き合って。なんというか嘘じゃない失敗をしたいと思っていますね。


—常に全力でアーティストを支える気持ちを持てることが、大切ということですね。
おかりな
そうですね。周囲の関係者にとっては、私=「井上実優」の印象になることもあると思います。私が頑張っていれば「井上実優」のことを見てくれる人が増えていくと思っているので、そこはぶれずに丁寧にやってきたいですね。

時には、現場でその日その場限りの仕事をすることもあるわけですが、その人たちの心をいかに早くつかんで、現場を明るくするかなども、アーティストのパフォーマンスに直接繋がっていくと思うので。ユーモアと愛を持って、現場に常にいられるようにと常々思っています。アーティストのことを思って、真摯に仕事に取り組んでいける人であれば、マネージャーは向いているのではないかと思います。

なんてカラフルな人材がいる会社なんだろう、って。

—最後に、就活生に向けた質問をいくつかさせてください。お二人はどのような就職活動をしていたのでしょうか?
おかりな
正直に言うと、音楽業界はここしか受けていません。小学生の頃から『HEY! HEY! HEY!』や『うたばん』などの音楽番組が好きで自分もそういう業界に携わりたいなと思っていたので、テレビ局やラジオ局をメインで受けていました。

でも、音楽番組って番組の制作側だけではなく、アーティスト側からも関われると思っていたので、マネージャーにも興味がありました。それでソニーミュージックをマネージャー志望で受け、希望が叶い、今はマネージャーとして仕事をしています。


—入社してからのソニーミュージックの雰囲気はどうでしたか?
おかりな
私、この会社に入るまでには、「自分が一番おもしろい女子」だなんて思っている節があったんですよ。今まで自分よりおもしろい女子に出会ったことがない。だから、初めて同期に会った時も「なるほど。こんなもんか」といった具合に高をくくっていました。

でも実際仲良くなってみると、私よりお笑いに詳しい人、音楽を知っている人、様々な分野に詳しい人がたくさんいて。さらに入社してみると元プロのギタリストだったり、おもしろい人、個性的な人がゴロゴロ…。所属するアーティストのことも尊敬しているのですが、それ以上になんてカラフルな人材がいる会社なんだろう、って。いかに自分が井の中の蛙だったのかを思い知りました。

生まれ変わっても、もう一度ここに入社したいと思っているくらいです。

—よーちゃんさんは、いかがでしょうか?
よーちゃん
僕は入社するまでCDを買ったことがない、ただのサッカー小僧だったんです。でも電車の通学時間でも家でもずっと音楽を聞いていたり、エンタテインメントの世界は小さい頃からずっと好きで漠然と音楽プロデューサーになりたいという憧れを持っていてそれをそのまま面接で伝えたら、運よく内定もらったという形です。


—CDを買ったことない人を採用するなんて、懐が深い会社なんでしょう…。
よーちゃん
本当にそうですね。お世辞じゃなく、生まれ変わってももう一度ここに入社したいと思っているくらいです。最初に配属された部門が全てではなく、そこの経験を活かして業務内容の全く違う部門でも活躍できる、いわば社内転職できるのは大きな魅力ですね。入社以来経験したCDなどのパッケージのマーケティング、そして今頑張っているデジタルコミュニケーションの経験を活かして、いいマネージャーになりたいと思います。
—社員の自発性を信じているんですね。ソニーミュージックの雰囲気はどうですか?
よーちゃん
例えるなら、自由な校風の高校のような印象で、スタッフ全員がそれぞれ成熟した考えを持っていて、個々の裁量に任せられている感じがあります。一人ひとりの個性や可能性を信じて仕事を任せてくれるので「よっしゃ!やってやろう!」と思える会社ですね。
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